粉ミルクって実際どうなの?母乳との違い・栄養・安全な作り方をやさしく解説🌞

粉ミルクを準備する笑顔のパパママと赤ちゃんの温かい日常風景 医療
粉ミルクはパパママと赤ちゃんの強い味方。どんな選択も愛情いっぱいの育児です🌸

こんにちは、がんばるパパママへ🌷

出産を終えて、赤ちゃんとの新しい毎日がはじまると、授乳のことは誰もが一度は悩むテーマですよね。
「母乳が足りないかも」「ミルクを足してもいいのかな?」と心配になるママも多いと思います。
でも大丈夫。最近の粉ミルクはとても進化していて、母乳に近い成分や味を研究して作られています。
今日は、そんな粉ミルクについて、安心して使えるポイントをやさしくお話しします。

母乳じゃなくても大丈夫?

妊娠中のママの約9割が「完全母乳で育てたい」と思っているそうです。
けれど実際は、出産後に母乳とミルクを併用するママが半数ほど。
(厚生労働省「平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況」より参照)

体調のこと、職場復帰やパパ育児、保育園の事情など、さまざまな理由でミルクを選ぶのは自然なことなんです。
どんな選択をしても、赤ちゃんを大切に想う気持ちが一番大切。
「母乳じゃないとダメ」なんてことはありませんよ。

母乳と粉ミルク、それぞれの特徴

母乳には感染症を防ぐ免疫成分がたくさん含まれています。
出産してから3~5日後までの母乳を初乳といいます。
栄養成分や免疫成分が多量に含まれていて、病気を予防する大事な母乳です。
産後10~14日後には糖質や脂肪分が増えて、発育を促す母乳になります。
約1年間は免疫成分が残っていますが、冷凍するとこれらは効力がなくなるようです。(雪印ビーンスタークHP 母乳研究 赤ちゃん研究 より参照
https://www.beanstalksnow.co.jp/labo/baby/)

一方で、粉ミルクは栄養バランスが安定しており、誰でも同じように調乳できるのがメリット。
ママ一人に授乳の負担が集中せず、パパや家族も育児に関われる点も心強いですね。

項目 母乳 粉ミルク
免疫成分 豊富で感染症予防に効果的 ほとんど含まず
栄養バランス 赤ちゃんや時期に応じて変化 一定で安定
ママへの負担 頻回授乳で体力的に大変 誰でも授乳できて負担軽減
コスト ほぼ無料 費用がかかる
その他 ビタミンK・Dが不足することあり 腹持ちがよく、消化がややゆっくり

母乳に足りない栄養素、ビタミンKとD

実は、母乳にはビタミンKとビタミンDが少なめに含まれています。
ビタミンKは、産院で生後すぐに投与されるので心配いりません。
ただ、ビタミンDは自然に補えないこともあるため、妊娠中からしっかり摂るのがおすすめです。
日光浴や魚・卵・きのこ類をバランスよく食べて、ママ自身の体から赤ちゃんへ届けてあげましょう。

参考:日本小児医療保健協議会栄養委員会報告「乳児期のビタミンD欠乏の予防に関する提言」2025年

母乳にはSIDS予防の効果も

「乳幼児突然死症候群(SIDS)」という、元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然亡くなる病気があります。
原因ははっきりわかっていませんが、母乳育児がSIDSのリスクを下げるという研究もあります。
他にも以下のような点が大切です。

  • 1歳まではあおむけで寝かせる
  • できるだけ母乳をあげる
  • たばこを避ける

どれもすぐにできる小さな工夫で、赤ちゃんを守る大きな一歩になりますね。

(政府広報オンライン20250701「赤ちゃんの原因不明の突然死 「SIDS」の発症リスクを低くする3つのポイント」より参照)

WHOがすすめる母乳育児

世界保健機関(WHO)は、生後6か月までは完全母乳、2歳までは母乳を続けることを推奨しています。
でも、国や家庭の状況によって事情はそれぞれ。
「粉ミルクを使うこと=悪いこと」ではなく、ママと赤ちゃんにとって“無理のない選択”がいちばん大事です。
世界中のママがそれぞれの方法で赤ちゃんを育てています。あなたの育児も、その中のひとつの正解です。

粉ミルクを作るときの「お水」

調乳には基本的に水道水でOKです。
ただし、ミネラルウォーターは硬度が高いと赤ちゃんがおなかを壊すこともあるので注意しましょう。
目安は硬度60以下。
お住まいの地域の水道水の硬度は、水道局のホームページで確認できます。
もし硬度が高ければ、軟水器の利用や調乳用の純水を使うのがおすすめです。

災害時などお湯が使えない状況では、液体ミルクをストックしておくと安心。
他に選択肢がなかったら硬度300以下(国が定める水道水の基準以下)のものであれば大丈夫です。
また硬度300以上の水しか手に入らない場合は、ずっと使い続けるのではなければ大丈夫。
水素水やアルカリ水はミルクに適していないので避けてくださいね。
(雪印ビーンスタークONLINE「意外と知らない!?赤ちゃんのミルクのこと」より参照https://www.shop-beanstalksnow.jp/view/page/page27)

粉ミルクの作り方と保存のコツ

粉ミルクを溶かすお湯は70℃以上が目安です。
これはミルクを殺菌するため、70度でも80度でも90度でも大丈夫です。
半量のお湯でよく溶かしたあと、清潔な湯冷ましや純水で人肌(36℃前後)まで冷まします。
湯冷ましはふたのついた清潔な容器に入れて、保存期間は24時間以内です。
温度の確認はママの前腕に1〜2滴垂らして、熱くなければOK。
赤ちゃんが飲み残したミルクは次の授乳のときにはあげられません。
飲み残したミルクは廃棄するか、大人が飲んでも大丈夫です。
粉ミルクは結露を防ぐためにも冷蔵庫ではなく常温で保管しましょう。
(雪印ビーンスタークONLINE「意外と知らない!?赤ちゃんのミルクのこと」より参照https://www.shop-beanstalksnow.jp/view/page/page27)

パパ・ママへひとこと🌸

母乳でも、ミルクでも、どちらでも大丈夫。
どんな方法でも、パパ・ママが笑顔でいることが赤ちゃんにとって一番の幸せです。
毎日がんばっているあなたを、心から応援しています。


※この記事は薬剤師である筆者が、医学的根拠に基づき一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。
実際の授乳・栄養管理については、医師・薬剤師・助産師など専門家にご相談ください。

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